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世界でも類例のない内外壁が透明ガラスで覆われたホワイトキューブ大林組コンサートホール。シャッターの開閉により、奏でられる音楽に合わせて視覚環境を可変することができる。納入機器FDUシリーズ調光装置LED調光制御盤・EGBAN記憶調光操作卓・パレータスγ(既設流用)LEDスポットライト(FM/SH/FM挟角)LEDボーダーライト(エアロフラッド)LED客席ダウンライト透明な空間に、色彩が宿る。ガラスに囲まれたホールに、LED舞台照明で光のデザインを施す。白石市文化体育活動センター(ホワイトキューブ大林組コンサートホール)は、内外壁とも透明ガラスという世界的にも稀有な音楽ホールである。音の核には、5段鍵盤・115ストップのパイプオルガン。さらに日本でも有数の長い残響を備え、吸音カーテンで可変できるようになっている。透明な建築が抱える“明るさ”の条件も、シャッター展開により暗転環境を確保。そこに、全光源LEDによる照明設備が導入され、音と光が同じ思想で整えられることになった。 ガラスは、本来「境界」をつくる素材である。しかし、このホールの透明ガラスは、境界をほどき、街とホールのあいだで、日常と非日常が行き来する。内外壁とも透明ガラスという構成は、客席に座った瞬間から“ここが特別な場所である”ことを静かに伝えてくれるのだ。 この空間の中心に据えられたのが、5段鍵盤・115ストップのパイプオルガン。消え入るような繊細な弱音から身体を揺さぶるような重低音やトゥッティの響きまで、オーケストラにも匹敵するような音色とダイナミックレンジを持つ、わが国初の本格的なコンサートオルガンとして導入された。その楽器が建築の一部となり、音の起点として、視線の焦点として、ホールの骨格を決めている。加えて特筆すべきは残響の長さ。空席時3.9秒/500Hzという、日本でも有数の豊かな響きを備えながら、吸音カーテンによって2.4秒/500Hzまで調整できる。クラシックの厚みも、講演やアンサンブルの明瞭さも、同じ器の中で成立させるための“可変”が用意されているのだ。 一方、透明なホールは光の条件が難しい。だがこのホールでは、シャッターを展開することで、舞台演出に必要な「暗転」をつくることができる。ここで活きるのが、光源がすべてLEDで統一された照明設備である。客席はLED客席ダウンライト、舞台を照らすあかりは、LEDスポットライト(FM/SH/FM挟角)と、フルカラー演出が可能なLEDボーダーライト(エアロフラッドシリーズ)で構成された。すべての器具が0〜100%で調光でき、器具間の同期も可能。明転から暗転、そのわずかな“間”にまで意図を宿し、透明な建築が持つ開放感と、舞台が必要とする集中を、同じ操作の中で両立できるようになっている。 音が空間を満たすように、光もまた空間を整える。このホールの透明な輝きは、白石の地に集う人々の時間をやさしく包み、街の未来へ向けた一つの誇りとして、受け継がれていく。建物概要所在地/宮城県白石市施主/白石市延床面積/13047.9㎡階数/地上4階[災害復旧工事]設計監理/株式会社三菱地所設計建築音響コンサルタント/浪花千葉音響計画有限会社施工/株式会社大林組電気工事/株式会社ユアテックリニューアルオープン/2024年10月施設概要<音楽ホール>客席数/610席舞台/間口22m・奥行12m・高さ11mホワイトキューブ大林組コンサートホールRENEWAL白石市文化体育活動センター02THEATER/HALL12


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