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世界最大級の設計・デザイン事務所ゲンスラーに在籍される天野大地氏を迎え、ウェルビーイングなワークプレイスデザインに携わるパナソニックメンバーたちが、対談を行いました。SpecialDiscussionTOPICSゲンスラーサンフランシスコオフィス海外の潮流と異なる、日本のワークプレイス 天野さんはゲンスラーで長年、ワークプレイス設計に従事されています。ゲンスラーはワークプレイスデザインの先駆者であり、毎年独自に世界の動向を調査し、レポートを発表されていますが、近年のワーカーがどのようなワークプレイスを求めているのかお聞かせください。天野氏:世界のワーカーはコロナ禍を経験し、リモートワークという形で「会社のオフィス」でなくとも働けることを知りました。当社のレポートでいう「理想のワークプレイス」とは、こうした変化を背景に、自然の中や図書館、カフェ、自宅など、従来は働く場と考えられていなかった環境も含め、ワーカーが多様な場所で実際に働き「快適」と感じた環境を指しています。パナソニック上野:貴社のレポートの中でワーカーは“いかにも企業的なオフィス体験”を求めなくなってきている」と分析されています。従来型のいわゆるビジネスライクな雰囲気のスペースで実際に働いている人も、理想のワークプレイスには自宅のような居心地の良さを感じられる場所や、上質で洗練されたパーソナルな雰囲気の場所など、今までのオフィスにはなかった上野早織ライティング事業部エンジニアリングセンター空間ソフト企画開発課主任技師天野大地Profileアメリカの大学で建築を学んだのち、ロサンゼルスの建築設計事務所でスポーツやエンターテインメント分野の大規模プロジェクトに携わる。2000年に日本帰国後ゲンスラーに入社。世界各地のワークプレイスをはじめとした、さまざまなプロジェクトでクリエイティブ戦略をリードする。建築やインテリア、デジタルメディア、ブランドデザインなど、多岐にわたるキャリアを基に、「フィジカル」と「デジタル」を融合させた、新しい体験を提供する環境を提案している。ゲンスラープリンシパル、クリエイティブディレクター建築やインテリアをはじめ、ブランディングやデジタルエクスペリエンスに至るまで、幅広い領域を横断したデザインサービスを展開する世界最大級の設計・デザイン事務所。1965年にアメリカ・サンフランシスコで設立されて以来、グローバルに拠点を拡大し、現在では東京を含む世界57拠点にオフィスを構える。「デザインの力でより良い世界を創る」というミッションのもと、多様な環境やコミュニティに対し、デザインソリューションを提供する。世界のワークプレイスはなぜWel-Beingに向かうのか?07
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多様な場所を求めていることがわかります。この傾向は全年代を通して見られたという点にも、ワークプレイスの新しい潮流を感じました。天野氏:調査から、同僚との交流や議論などのコミュニケーションが上位に位置付けされていることがわかります。実際に、海外では議論がすすむように協動スペースを設けることを重要視しています。パナソニック上野:ですが、日本ではフリーアドレス制を取り入れ、ひとり作業に集中するブースをたくさん作っている傾向にありますね。レポートの中でも「日本はむしろ世界に逆行している」というご指摘がありました。天野氏:働き方やニーズが急激に多様化したため、何が正解なのかわからなくなっている企業も多いのが実情なのではないでしょうか。そのような中で当社にワークプレイスの設計をご依頼されるお客様が共通して口にされるのが「ウェルビーイング」という言葉です。個人ワークにせよ、チームワークにせよ、居心地の良さが担保されたウェルビーイングなワークプレイスが生産性を高めることは、ワーカー自身だけでなく、経営者にも認知されているように感じます。ライブラリーホテルライクゲンスラーでは、2008年より、毎年、グローバルにオフィストレンドを調査しレポートとして発表しています。2025年度版のレポートでは、ワーカーが理想と考える職場環境については、「自然とのつながりが感じられる場所」、「ホスピタリティが行き届き、上質で洗練され、パーソナルな雰囲気のある場所」などであるという結果が示されました。まさにウェルビーイングな空間であると言えます。こうしたワーカーのニーズを背景に、いかに理想的なオフィス空間を実現するかが今後ますます重要なテーマになっていくと考えられます。ワーカーは“いかにも企業的なオフィス体験”を求めなくなっているワークプレイス体験の理想と現実グローバルオフィストレンド調査からわかるQ.現在の職場体験と理想の職場体験は?自然のつながり創造ワーク自宅のような居心地ビジネスライクで効率的かつプロフェッショナルな雰囲気のフォーマルな場所グループワークのためにデザインされたと感じられる、みんなが集まる場所インフォーマルなつながりが生まれ、にぎやかでエネルギッシュな雰囲気の場所ホスピタリティが行き届き、上質で洗練され、パーソナルな雰囲気のある場所雑音や会話がなく、静かで落ち着いていて、学びや勉強・読書に集中できる場所自宅のような居心地の良さを感じられる場所実験的で創造性にあふれ、柔軟かつダイナミックに使える場所自然とのつながりを感じられ、屋外で他者と一緒に働くこともできる、静かで落ち着いた場所執務打ち合わせ・会議カフェ現在はビジネスライクな体験が約50%理想は多様な体験を望んでいるが、理想と現実のギャップありブティックホテル5%9%ライブラリー(勉強・読書)7%9%ライブラリー(学び)8%9%コーヒーショップ10%10%コラボレーションハブ16%11%レジデンシャル9%12%クリエイティブラボ8%13%ネイチャーリトリート7%14%ビジネスハブ31%14%ワーカーの好みは、ビジネスライクなオフィス環境からウェルビーイングなワークプレイスへとシフト ウェルビーイングとABW(ActivityBasedWorking:アクティビティ・ベースド・ワーキング)の関係性についてお聞かせください。天野氏:ABWは、米国で20年以上前に生まれた概念です。業務内容に合わせて、時間と場所を自由に選択して働くスタイルですが、その目的は、「個人の生産性」を上げることでした。というのも、海外の働き方の主流はジョブ型と言われるもので、業務がタスク分解されているため、この考え方が生まれました。一方、日本の働き方は「すりあわせ型」「調整型」であり、チームで仕事をします。コロナ禍を経て日本でも働き方が変わり、個人ワークも増えましたが、どの場所でどのように働く場合でも、居心地が良くなければ個人の生産性もチームの生産性も上がらない、ということがデータでわかっており、ウェルビーイングを取り入れたABWが重要視されるようになりました。パナソニック箱田:ABWのゾーニングは、家具や内装によって環境構築するのが一般的ですが、パナソニックではそこに光と音の要素を加え、所定の時刻にシーンを切り替えるスケジュール制御も組み合わせることで、働きやすい環境づくりをご提案しています。天野氏:ゾーニングライティングの考え方ですね。光や音などによって五感に訴えかけるワークプレイスは、ワーカーのストレス軽減や生産性の向上につながる、まさにウェルビーイングなワークプレイスであると私も考えています。現在のワークプレイス体験理想のワークプレイス体験天野大地氏ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッド15か国16,809名のオフィスワーカーを対象とした調査。現在の職場体験、および理想の職場体験を表すものとして、各選択肢を選んだ回答者の割合。出典「GENSLERRESEARCHINSTITUTE/GlobalWorkplaceSurvey2025」08


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