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グレアとは、光源などの輝度が競技者や観戦者の目に入り、見ようとするものが見づらくなる現象で不快グレアと減能グレアがあります。特に、不快グレアは競技や視覚的な快適さを妨げる大きな要因となりますが、グレアの軽減を図るために、JISZ9127では以下のように定めています。グレア■4.4グレアグレアは運動競技、観戦などの妨げとなる。ただし、運動競技は、動的及び空間的でもあり、あらゆる場面でグレアを完全に防止することは困難である。そこで、次の二つの手順でグレアの軽減を図る。a) 運動競技者の視線方向を考慮し、主たる視線方向の視野内に高輝度光源を設置しない。b) 4.4.1に規定する不快グレア評価方法に基づいてGRを求め、グレア制限値GRL以下にする。注記1 光源・照明器具の設置位置は、附属書Cを参考に定める。注記2 減能グレアは、不快グレアを軽減している場合、あまり問題とはならない。ただし、視線 が上を向く場合には、ルーバの設置、フードの設置など特別な配慮が必要になる。■4.4.1グレア評価値競技者の心理状態に影響を及ぼすランプの光色や、人、物の色の見え方を表現する演色性において、JISZ9127では以下のように定めています。光色及び演色性■4.6光色及び演色性ランプの光色は、相関色温度Tcpで表し、表2のように区分する。光色は、運動競技者の心理状態に影響を及ぼすので、特別な理由のない場合には中間色を用いる。また、テレビジョン撮影及び写真撮影にも影響を及ぼすので、昼光及び人工光を併用する場合には、昼光と調和する4000K∼6500Kの人工光を用いる。物、人の皮膚などの色の見え方を表現する演色性は、JISZ8726に規定する平均演色評価数Raを用いて評価し、60以上とする。GRは、式(2)によって求める。GRの計算点及び方向は、各照度測定点から各照明塔方向とし、図1に示す位置関係で計算する。運動競技のサイドラインに沿って照明器具が列状に配置されている場合には、水平距離の最短方向及び最遠方向について計算する。図1-グレア評価のための視線方向、照明器具及び照明塔の位置関係注記 領域の平均反射率は、一般に、土が10%、芝生が15%、雪面及び氷面が50%が用いられている。 照明施設のGRは、表7∼表10のGRLを超えないことが望ましい。GRとグレアの程度との関係は、表1による。GR=27+24log10…………………………………(2)Lvl=Lv1+Lv2+…+LvnLvn=10×( )LvlLve0.9Eeyeθ2Lve=0.035×p×Ehavπここに,Lvl:個々の照明器具によって生じる等価光幕輝度(cd/m2)の合計Lvn:個々の照明器具の光幕輝度(cd/m2)Eeye:観測者の視線に対して垂直な面の照度(lx)(図1:水平下方2°)θ:観測者の視線と個々の照明器具とのなす角度(°)Lve:環境の等価光幕輝度(cd/m2)p:領域(地面など)の平均反射率Ehav:全運動競技面の平均照度(lx)表1-GRとグレアの程度との関係GR907050グレアの程度耐えられない邪魔になる許容できる限界3010あまり気にならない気にならない表2-ランプの光色区分光色暖色中間色涼色相関色温度Tcp3300未満3300∼53005300を超える単位 K視線に対して垂直な面視線θ照明器具の光軸照明器具照明塔2°(JISZ9127)(JISZ9127)(JISZ9127)スポーツ照明基準〈全般〉01障害光とは、屋外照明設備からの漏れ光の内、光の量や方向によって、人の活動や生物などに悪影響を及ぼす光のことです。悪影響には夜空の明るさの増大、人に対するグレア、動植物の生育への影響などがあります。JISZ9127では環境によって障害光の許容される最大値を以下のように定めています。障害光■4.7障害光夜間の環境を保全するために、障害光を抑制する。障害光は、多くの場合、照明設備からの漏れ光によって引き起こされ、周辺環境又は人々に、生理的及び生態的に影響を及ぼす。屋外照明設備からの漏れ光は、表3に規定する値以下が望ましい。ここに、環境ゾーンはCIE150に規定する次のものをいう。E1:自然環境、国立公園、保護された場所など本来暗い光環境E2:地方部、産業的、居住的な地方領域など低い明るさの光環境E3:郊外、産業的、居住的な郊外領域など中程度の明るさの光環境E4:都市、都市中心、商業領域など高い明るさの光環境ここで用いた記号は、次のとおり。Ev:地所の鉛直面照度の上限値(lx)I:障害を及ぼすと考えられる方向への各照明器具の光度(×1000cd)ULOR:照明器具を設置した状態において、照明器具又は装置の水平面より上に放射される光束のランプ光束に対する割合Lb:ビル面の平均輝度の上限値(cd/㎡)Ls:サイン面の平均輝度の上限値(cd/㎡)注記 この表は、CIE150による。注a)近隣住居の窓、将来住居になる予定の関係する面などに適用する。b)減灯時間が適用できない場合には、低い方の値を適用することが望ましい。c)照明器具が公共照明(道路など)である場合には、この値は1lxとする。表3-屋外照明設備における障害光の許容される最大値地所への照度a)照明器具の光度上方光束比輝度E4255252.50.20251000E3102101.00.1510800E2517.50.50.055400E120c)2.500050減灯時間b)前減灯時間以降減灯時間b)前減灯時間以降ビル面サイン面環境ゾーンEv(lx)I (×1000cd)ULORLb(cd/㎡)Ls(cd/㎡)(JISZ9127)
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テレビジョン撮影を行う場合、高い照度や演色性が求められます。JISZ9127では以下のように定めています。テレビジョン撮影の要件表5-最大照度に対する最小照度の割合空間照度水平面照度EsDmin/EsDmax≧0.3Eh.min/Eh.max≧0.5■5.1.2撮影のための照度撮影のための照度は、被写体の速度及び撮影距離に基づいて、表4に規定する空間照度による。■5.1.3最大照度に対する最小照度の割合基準面の水平面照度及び空間照度の最大照度に対する最小照度の割合は、表5とする。また、水平面照度の勾配は、5m当たり25%を超えてはならない。■5.1.4相関色温度光源の相関色温度は、3000K∼6500Kとする。屋外設備を薄暮から夜間にかけて使用する場合には、相関色温度は、4000K∼6500Kとする。■5.1.5平均演色評価数光源の平均演色評価数Raは、80以上とする。■5.1.6観客席の照度映像又は画像の背景となる観客席などの照度は、基準面における空間照度の平均値の25%以上とする。注記この表はCIE83による。注a)Aは、カメラを通して見た場合、アーチェリー、体操、ビリヤード、ボウリング、カーリング、 馬術、水泳など、比較的緩やかに動くもの。 b)Bは、カメラを通して見た場合、バドミントン、野球、ソフトボール、バスケットボール、 ボブスレー、リュージュ、フットボール、ハンドボール、ホッケー、アイススケート、柔道、 テニス、競輪、競馬、ドッグレース、ローラースケート、スキー・ジャンプ、スピードスケート、 バレーボール、レスリングなど、中程度の速度で動くもの。 c)Cは、カメラを通して見た場合、ボクシング、クリケット、フェンシング、アイスホッケー、 ラケットボール、スカッシュ、卓球など、比較的動きの速いもの。表4-撮影のための照度(S/N比50db及び標準的なカメラ)C(比較的速い)c)1000lx1400lx-B(中程度の速度)b)700lx1000lx1400lxA(比較的緩やか)a)500lx700lx1000lx被写体の速度25m75m150m撮影距離02(JISZ9127)スポーツ照明基準〈全般〉(JISZ9127)JISZ9127では照明要件を定める上で、以下のように運動競技を区分しています。運動競技の区分表6-運動競技の区分及び適用例■5.2.1運動競技の区分運動競技の水準を表6に規定するように区分し、特定の運動競技の要件をそれに応じることが望ましい。運動競技の区分適用例Ⅰ観客のいる国際、国内、地域全体又は特定地域における最高水準の運動競技会。最高水準のトレーニング。Ⅱ観客のいる地域全体又は特定地域における一般的な運動競技会。高水準のトレーニング。Ⅲ観客のいない特定地域の運動競技会、学校体育又はレクリエーション活動。一般のトレーニング。(JISZ9127)
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