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スポーツ照明基準 5-6(8-9)

概要

  1. サッカースタジアム・競技場の照明基準
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照度と均斉度光 源水平面照度鉛直面照度照度サッカースタジアムの照明においていちばん大切なことは、フィールドに対して適切な照度(明るさ)が保たれることです。この場合の適切な照度は、競技場の使用目的によって次の3分類に分けることができます。均斉度■照度と均斉度(JISZ9127)注)(1)テレビジョン撮影のための照度とその均斉度については下記を参照のこと。(2)照度均斉度は、水平面照度の最小値/水平面照度の平均値を示す。(3)Jリーグの照度基準は平均照度1500lx以上。(公財日本サッカー協会基準)競技区分水平面照度の平均値(lx)照度均斉度(2)公式競技500以上0.7以上一般競技200以上0.5以上レクリエーション100以上0.3以上■テレビジョン撮影のための空間照度(JISZ9127)撮影距離空間照度(lx)25m70075m1000150m1400一般に均斉度は、平均照度に対する最小照度の比で表し、ボールや選手の動きを明瞭に見せるための重要な要素となります。均斉度が悪い場合は、競技面に明るさムラができたりして、対象物が見づらくなるので、均斉度は競技レベルに応じて設定されています。テレビ撮影については、カメラの感度は人の目より悪く、高い照度と均一な均斉度が要求されます。フィールドは、つねに選手やボールの視覚的な背景になるため、その明るさによって、選手や観客の目の順応レベル、さらにはテレビカメラの絞りが左右されます。その意味で、フィールド面の水平面照度は重要なファクターです。さらには、観客の安全な移動のためのスタンドや、通路の照度も忘れてはならないことがポイントです。選手が誰であるかが分かる、あるいは空中を飛ぶボールを目で追うための照度として必要になるのが鉛直面照度です。とくに注意しなければならないのは、観客席は、一般的にはフィールドを囲むように設置されているため、すべての方位の鉛直面照度を考えることと、選手を見分けるために地上1.5mに設定することが大切になります。また、テレビ放映の場合は、カメラの方が人間の目より高い鉛直面照度を必要とするため、特別な設定が不可欠になり、画像の一部になるスタンドに対しても、十分な鉛直面照度を考慮しておかなければなりません。■テレビジョン撮影の光源の色温度と演色性(JISZ9127)色温度6500∼3000Kの範囲色温度6500∼4000Kの範囲平均演色評価数(Ra)80以上大規模なサッカースタジアムや陸上競技場でテレビジョン撮影を行う場合、光源には、高い演色性(Ra80以上)が求められます。LEDは演色性に優れ、テレビジョン撮影に適しています。グレアとは、光源などの輝度が競技者や観戦者の目に入り、見ようとするものが見づらくなる現象で不快グレアと減能グレアがあります。特に、不快グレアは、ボールの見え方や視覚的な快適さを妨げる大きな要因となりますが、視線に対する投光器の配光、位置、照射方向の設定によって、低減することが可能です。具体的には、グレアレーティング(GR)が、50以下(レクリエーションは55以下)であれば大きな問題とはなりません。■照明器具の選定運動競技区分・照明器具の配置投光器の配光狭角配光中角配光広角配光公式競技及び一般競技コーナー配置サイド配置レクリエーション備考)◎は主に用いるもの、○は必要に応じて用いるものを示す。高い照度と均斉度が求められる公式レベルの競技場の場合は、狭い範囲を高照度に照らす狭角配光の投光器を数多く設置する照明設計が適しています。一方、レクリエーションレベルの競技場の場合は、照度は比較的低く、経済性も重視されるので、少ない灯数でムラの少ない照明が得られる広角配光の投光器を主に設計することが望まれます。交流点灯した場合、光の出力に変動が起こります。このため、フリッカと呼ばれるチラツキが発生し、高速で動くボールや選手などが断続的に見えてしまうストロボスコピック現象が引き起こされるケースがあります。速いテンポで繰り広げられる競技の場合、プレイや観戦に支障をきたすことはもちろん、テレビ中継において顕著に現れ、大きな影響を受けます。①公式競技レベル・・・公式試合、Jリーグ、テレビ放送のできる競技場②一般競技レベル・・・アマチュアチームの試合や練習のための競技場③レクリエーションレベル・・・レクリエーションや練習のための競技場照明器具の選定グレアストロボスコピック現象※※屋外設備を薄暮から夜間にかけて使用する場合サッカースタジアム・競技場の照明基準(サッカー・ラグビー・陸上競技など)05(公財)日本サッカー協会スタジアム標準では各クラスのピッチの寸法や照明設備などについて以下のように定めています。ただし、クラスS、クラス1、クラス2においては、2000lx以上で設計することが一般的になっています。■(公財)日本サッカー協会スタジアム標準より抜粋◎は原則的に必ず設置する事項/○は設置すべき事項/ーは必要に応じて設置する事項クラスS対象国内大会(リーグ)FIFAAFCJFAAFCJFAJFAJFAJFA地域主催大会都道府県大会主催ピッチの寸法収容人員規模照明設備芝面のサイズサッカー場多目的フィールドのサイズフィールドの状態サッカー場多目的ピッチ内照明=1,500ルクス以上・平坦であること・年間を通じて常緑の天然芝であること・水はけが良いこと・ピッチ全体を覆っていること平坦で、天然芝、JFA公認人工芝であること。常緑であることが望ましい。FIFAクラブワールドカップ/AFCチャンピオンズリーグ(決勝トーナメント)/日本代表(A,OP)公式試合・親善試合/Jリーグディビジョン1・2/天皇杯全日本サッカー選手権大会(準決勝・決勝)/高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会(準決勝・決勝)・(U-15)サッカー選手権大会(決勝)/全日本女子サッカー選手権大会(決勝)AFCチャンピオンズリーグ/日本代表(OP、U20,U-17)公式試合・親善試合/Jリーグディビジョン1・2天皇杯全日本サッカー選手権大会(3回戦∼準々決勝)/高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会(準決勝・決勝)・(U-15)サッカー選手権大会(決勝)/全日本女子サッカー選手権大会(決勝)40,000人以上20,000∼40,000人15,000∼20,000人5,000∼15,000人∼5,000人長さ:105m以上幅:68m以上長さ:最少90m幅:最少45mピッチを基準とし、ピッチ周辺部に競技上、危険を及ぼさないだけの余幅をとること長さ:115m以上幅:78m以上※ピッチの 外側5m 以上長さ:108m以上幅:71m以上長さ:115∼125m幅:78∼85m陸上トラックを含む大きさ長さ:107m以上幅:71m以上日本代表(U20,U17)公式試合・親善試合/Jリーグディビジョン2/天皇杯全日本サッカー選手権大会(3回戦∼準々決勝)/高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会・(U-15)サッカー選手権大会/全日本女子サッカー選手権大会/地域リーグ決勝大会日本代表(U17)公式試合・親善試合/天皇杯全日本サッカー選手権大会(1回戦∼3回戦)/高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会・(U-15)サッカー選手権大会/全日本女子サッカー選手権大会/日本フットボールリーグ(JFL)/日本女子サッカーリーグ(Lリーグ)地域リーグ決勝大会2次リーグ/地域リーグ決勝大会1次リーグ/日本フットボールリーグ(JFL)/日本女子サッカーリーグ(Lリーグ)/各種別大会決勝クラス1クラス2クラス3クラス4クラス新設新設既設既設◎◎○◎○ーー
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■照明器具の配置と取付高さ照明器具の取付位置と高さは、スタジアムの光環境を決定する重要な要因のひとつです。取付位置は、コーナー方式、サイド方式、コーナー・サイド方式の3つに大別されます。これらの取付位置は、取付高さと関係しながら、プレイヤーの影の濃さや長さ、水平面と鉛直面の照度比など、それぞれ特徴のある光環境をつくります。下図は各条件下における、点灯時の見え方の違いを示したものです。これらの光環境の違いを考慮に入れた上で、スタジアムの用途や予算規模など諸条件に合わせて、最適な照明プランを採用することが大切です。また、ワールドカップ開催スタジアムを含め、最近では屋根付きの競技場が増加しています。このようなケースでは、特にサイド方式の照明特性を十分把握した上で、配光特性を考えた投光器の選定や、設置スペース、グレアを防止するための照射方向など、さまざまな要件を十分に検討することが必要です。■陸上競技場及び兼用競技場(陸上競技、サッカー、ラグビー)の場合備考)●印は照明器具の設置位置■サッカー専用競技場の場合備考)(1)●印は照明器具の設置位置  (2)照明器具は、斜線内に配置する。●●●●●●●●0.25L∼0.35L0.25L∼0.35L0.12L∼0.17L競技面中心線L●●●●5゜15゜照明器具の配置(JISZ9127)■サイド配置の場合■コーナー配置の場合●●●●●●●●競技面中心線競技面中心線競技面●●●●●●●●競技面中心線観客席L1L2L1L2L1L2H●●●●L1L2L1L2H備考)●印は照明器具の設置位置  L1tan20≦H≦L1tan30  かつ  L2tan45≦H≦L2tan75ここに、L1:競技面の中心線から最下段の照明器具までの水平距離(m)L2:競技面の端から最下段の照明器具までの水平距離(m)H:最下段の照明器具の取付高さ(m)備考)●印は照明器具の設置位置     L1tan20≦H≦L1tan30  かつ  L2tan45≦H≦L2tan70ここに、L1:競技面の中心から最下段の照明器具までの水平距離(m)L2:競技面のコーナーから最下段の照明器具までの水平距離(m)H:最下段の照明器具の取付高さ(m)照明器具の取付高さ(JISZ9127)サッカースタジアム・競技場の照明基準(サッカー・ラグビー・陸上競技など)06

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