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ステージ&エンターテイメントライティング 173-174(174-175)

概要

  1. ステージライティングの基礎知識
  1. 173
  2. 174

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173舞台照明設備の名称と役割舞台上部・床上・幕前(フロント)のあかり■舞台上部のあかり舞台と客席の境にあるプロセニアムより舞台側の上部に取り付けられた照明器具を言います。舞台の天井にはすのこがあり、緞帳・カスミ幕・中割幕・ホリゾント幕・背景吊りバトンなど多くの吊り物が下げられますが、照明はこの間に吊り下げられて使用されます。①ボーダーライト舞台上部の吊り物装置により吊り下げられ、舞台全体を上部から平均に照らす照明器具で、平板な拡散光で影を生ぜず、地あかりの働きをします。●ボーダーライトの長さは舞台の大きさにより異なりますが、通常アクティングエリアの幅の長さは必要です。●配置は舞台の奥行に対して緞帳のすぐ後に第1ボーダーを設け、これより舞台奥へ1.5m∼2.5m間隔で第2、第3、……と必要な本数を設置します。●配線は普通3回路・3色配線になっています。②サスペンションライトボーダーライトと同じように、舞台の上部に吊り下げられたフライダクトに取り付けて、演技面だけのポイントの明かりを主体にした照明器具です。●電源は、フライダクトに設けられたコンセントより供給されます。 フライダクトの長さもボーダーライトと同じ程度で、ボーダーライトの後方0.5∼1mの位置に配列します。舞台の奥行に対しても1.5∼2.5m間隔で第1、第2、第3……サスペンションフライダクトを設置します。●使用する照明器具としては、平凸スポットライト、フレネルスポットライト、パーライト、サスペンションフラッドライトなどがあります。●フライダクトのコンセントは、C型の20Aを0.3∼1m間隔に1個付けますが、その数は多い程便利で、このコンセントの回路数も多い程便利です。③アッパーホリゾントライト舞台後部のホリゾント幕を照明するために、上部の吊り物装置に吊り下げます。ホリゾント幕に均等な鉛直照明をほどこし、フットライトやその他の照明による有害な反射光によりホリゾント幕に投影される影を消すとともに、背景を美しく染めて、空・海・川などの感じを出すような照明をします。④トーメンタルスポットライトプロセニアムの上手、下手の側壁より照明する器具で、ボーダーライトやサスペンションライトなどの吊り物と直角になるようにパイプで枠組みをして、その枠にスポットライトを設置します。●舞台の横から照明することにより、舞台床面での使用器具の数量が少なくなり、大道具・小道具の移動操作にも邪魔にならないので設備する方が効果的です。●使用する照明器具としては、フレネルスポットライト、平凸スポットライトなどがあります。⑤タワーライト舞台の上手、下手に、ボーダーライトやサスペンションライトなどの吊り物と直角になるようにパイプで枠組みをして、その枠にスポットライトを設置したものです。大道具・小道具の移動操作にも邪魔にならないように設置でき、簀の子から昇降させ、必要でない折りにはフライズに格納します。■舞台床上のあかり舞台の床面に設置または埋め込んで、下方より照明する器具を言います。⑥フットライト舞台床面の最前部に設置し、舞台を下方より均等に照明する器具です。使用されない場合がありますので、床面に溝を切り込み格納できるような構造にしておきます。●長さは舞台間口の長さだけ必要ですが、花道がある場合は花道の接点まで必要です。●配線は普通3回路・3色配線が多いようです。⑦花道フットライト通常、花道の客席側に埋め込み、花道の長さだけ設置します。●配線は普通2回路・2色配線が多いようです。⑧ロアーホリゾントライトホリゾント幕を下部より均等に照明する器具です。アッパーホリゾントライトと同じように、ホリゾント幕を美しく染め上げ、地平線付近の明るさを出したり、明け方や夕暮れ時の地平線の色光、明るさの変化を表現し、上演の雰囲気を盛り上げます。●一般にこの器具は大道具・小道具の移動操作の邪魔にならないように床面に埋め込むか、持ち運びできるような可搬式のものにします。●長さは、ホリゾント幕と同一の長さを必要とします。●配線は3色・4色配線で、電源は床面に埋め込まれたフロアコンセントにより供給されます。⑨ステージサイドスポットライト舞台の床面の低い位置より照明する器具で、移動用照明として使われます。●電源はフロアコンセントより供給されます。⑩フロアコンセント舞台床上の照明器具の電源として、必要に応じて電源がとれるようコンセントを設置します。●コンセントの数は多い程便利ですが、アクティングエリア内は大道具などの造作がありますので、避けたいものです。●普通アクティングエリア5∼7㎡に1個、1回路の割合で設置しますが、設置する場所にはフロアコンセント1コ口∼4コ口を、ある程度まとめてあまり場所をとらないようにします。ケーブルリール⑨ステージサイドスポット①ボーダーライト⑩フロアコンセント⑥フットライト⑫フロントサイドスポットウォールコンセントボックスコネクターボックス移動型調光操作卓調光操作卓主幹盤電源調光盤⑪シーリングスポット⑭センターピンスポット接続端子ボックスフライダクト③アッパーホリゾントライト②サスペンションライト⑧ロアーホリゾントライト
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174設計資料■幕前(フロント)のあかりプロセニアムより客席側に設置する照明器具で、舞台上の人物や置物の前あかりとして立体的に照明します。主にスポットライトが使用され、プロセニアム形式の劇場やホールでは、これらの照明諸室は観客から見えないように計画されますが、ほかの形式では構造上ほとんどの照明諸室・照明器具が露出します。⑪シーリングスポットライト客席上部の天井内より舞台に向って照明し、人物や大道具に前面から立体的なあかりを与えます。●シーリングスポットライトの照射する範囲は、舞台の最前部からホリゾント幕の最下部までで、この範囲を照明できる位置に舞台と平行に設置します。●舞台への投光角度は35度∼45度位が適当です。●台数はプロセニアム開口幅のm数と同数から2倍位です。●シーリング投光室の大きさは、できるだけ大きく取る方が良いのですが、普通プロセニアム幅の80%以上の長さが必要で、できれば100∼120%の長さを設けることがよいでしょう。奥行は2m以上を確保する必要があります。●舞台の奥行が長い場合やエプロンステージのある場合は第1、第2、第3シーリング室を必要とします。この場合、第3シーリング室にはフォロー用クセノンピンスポットライトを設置します。⑫フロントサイドスポットライト客席の両サイドに設置して舞台を斜め側面より照明し、人物や大道具に立体的なあかりを与えます。●舞台への投光角度が15度∼55度、平面上の投光角度が90度∼116度となる範囲に設置します。●台数は舞台の規模や上演種目によって異なりますが、通常両サイドに8∼10台、人物フォロー用として、ハロゲンピンスポットライトなどを各2台程度設置します。●フロントサイドスポット室は、通常プロセニアム開口部より5∼10m客席側に寄った左右に各2室以上を設置することが多く、スペースの有効利用のためスポットライトを床置きせず、2段、3段吊りにして使用する場合もあります。⑬バルコニースポットライトホールの客席がワンスロープでなく、ひな段式客席の場合、2階、3階のバルコニーにスポットライトを取り付けて前あかりを取ることがあります。しかし、舞台への角度が浅いために、ホリゾントの効果を悪くする場合もありますので、十分に注意して設置しなければなりません。⑭センターフォローピンスポットライト客席の最後部、または第3シーリング投光室などに設置し、メタルハライドピンスポットライト、ハロゲンピンスポットライト、クセノンピンスポットライトなどで舞台上の人物をフォローします。●舞台上への投光角度は、オペラや演劇などでは25∼40度、歌舞伎や日本舞踊では20∼35度が適当とされています。●台数は、人物フォロー用として輪郭をはっきりと出せるもので、最低中央に2台必要です。大規模な多目的ホールでは3台以上が必要で、客席天井部、客席最後部の中央にフォロースポットライトを設置して、舞台上の人物をフォローします。■舞台照明器具・舞台照明効果器の名称Ⓐフラッドライトレンズを組み込まないタイプの器具で、均等な照射ができます。Ⓑ平凸スポットライト平凸レンズ(Planoconvexlens)を組み込んだタイプの器具で、比較的輪郭のはっきりした投光面が得られます。Ⓒフレネルスポットライトフレネルレンズを組み込んだタイプの器具で、平凸スポットライトよりも輪郭がぼやけたやわらかな投光面が得られます。Ⓓエリプソイダルスポットライト平凸レンズ2枚と楕円面反射鏡が組み込まれた器具で、プロファイルスポットライトとも呼ばれています。プロジェクターと同じ仕組みを持っており、2枚のレンズが対物レンズと投影レンズの役目をしてピントの合った像を投光できます。そのため、付属するカッターにより四角形を作ることやゴボを挿入することによるパターン(模様)の投影が可能な器具です。Ⓔパーライト集光された強い光を出すことの出来るシールドビーム球を利用した器具です。電球の種類により投光面積を選ぶことができ、ベリーナロー・ナロー・ミディアムの3タイプが一般的に使用されています。Ⓕエフェクトマシン・スポットライト・ディスクマシン 流れ雲・降雨・降雪等の投影が出来ます。・スパイラルマシン うずまき等回転するものの投影が出来ます。・フィルムマシン 火焔・水流などの揺らめきのある効果の投影が出来ます。・リップルマシン 波など水面の効果の投影が出来ます。・スライドキャリア 写実的なものを投影することができます。Ⓖ効果器・ドラムマシン 炎マシン・オーロラマシン等があります。・ストロボライト 駒送り効果や雷光のような効果が得られます。・ブラックライト 強い紫外線を発生させ、蛍光物質を発光させることができます。・ミラーボール 球体(または楕円体)に小さな鏡をたくさん張り付けたもので、スポットライト を照射することによりたくさんの小さな光を反射させることが出来ます。Ⓗムービングライトコンピューター制御で動く照明器具で、カラー・ゴボ・フォーカス・明るさの制御の他に縦横斜めに照射方向を決めることが出来、その動かし方も自在に制御することが可能です。灯体自身を動かすヨークタイプと、スロットに付いたミラー部分を動かすことにより光が動くミラースキャンタイプ等があります。フラッドライトボーダーライトアッパーホリゾントライトカラーボーダーライトカラーアッパーホリゾントライトロアーホリゾントライトピンスポットライトフットライトムービングライト平凸レンズスポットフレネルレンズスポットエリプソイダルスポットライトスポットライトカラーロアーホリゾントライト

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