ここから本文です。

ステージ&エンターテイメントライティング 187-188(188-189)

概要

  1. 調光装置の設計・施工上のご注意
  1. 187
  2. 188

このページのトップへ

このページに含まれるテキストデータ(PDFから抽出された内容)

左ページから抽出された内容
187調光装置の設計・施工上のご注意1.電源について変圧器は照明専用変圧器としてください。●動力用と兼用しますと電圧変動の影響を受けやすく、音響用と兼用しますと雑音(ノイズ)の原因となりやすい為に、照明専用変圧器としてください。変圧器容量の概算容量は下式で求められます。●変圧器容量=総負荷設備容量需要率余裕率●総負荷設備容量とは照明負荷容量の合計値、需要率は0.7∼0.8、余裕率は1.1∼1.2が一般的な値です。幹線設備は極力太く、短くしてください。●位相制御方式を採用している調光装置は、配線が長いと配線インピーダンスの影響と中性線に歪波形の大電流が流れることにより、電源波形歪みが発生し、照明負荷のチラツキの原因となります。電源波形歪みを減少させる方法としては①変圧器と調光装置を同室に設置し、幹線の配線長を短くする。②変圧器と調光装置を離れた場所に設置する場合には、その幹線の配線長を 70m以下とする。かつ③∼⑤についても注意する。③大容量設備で幹線の配線長が長い場合には、相関のインピーダンス差を少なくするために幹線をねん架する。④幹線の中性線の太さは、各相の電線のそれと同等以上とする。⑤幹線の電圧降下は3%以内となるように配線の太さを決める。⑥幹線ルートが建物磁性体をループしないようにする。等の配慮が必要です。(引用文献:劇場等演出空間電気設備指針(平成11年7月31日発行))電源方式(相)はN相をもった電源をご使用ください。●調光可能な電源方式(相)…1φ3W/1φ2W/3φ4W(3φ3Wは調光できません)●1φ3W、3φ4W共対応できます。但し、主幹ブレーカの大きさが変わるため、実装できるユニットの数が異なります。2.調光負荷について調光回路は、各調光ユニットに表示されている定格を守ってご使用ください。また直回路の実負荷容量は、負荷MCBの80%以下としてください。(当社の調光ユニットは安全のため、所定の保護性能を持つよう、配線用遮断器を備えております。本遮断器は、周囲温度の影響を受けますので、内線規定205-3分岐回路数3.に従い、MCB定格の80%以下の実負荷設計が必要です。)3.調光操作器と調光装置本体との配線についてアナログ信号タイプの場合●手動式調光操作器と調光装置本体との配線は、単独コンジット配線またはダクト配線にしてください。また、配線は0.5㎟以上をご使用ください。●手動式調光操作器と調光装置本体との離隔距離は25mまでです。ただし、シールド線を使用しますと50mまで可能です。デジタル信号(リモートバス方式)の場合(DMX512信号とは異なります。)調光装置使用ケーブルEM-CPEE-S(CPEV-S相当)φ0.9×2ペア以上定格最大590mAIBEIB−IB+IJ−IJ+スライド式調光操作器IBE〈使用ケーブル電流定格〉 配線長 100m使用ケーブルEM-CPEE-Sφ0.9×2ペア以上終端抵抗IB−IB+IJ−IJ+調光装置操作器操作器〈配線例〉操作器操作器終端抵抗付①使用ケーブルについてスライド式調光操作器と調光装置本体との配線は、CPEV-Sφ0.93ペア(うち2ペア使用)ケーブルをご使用ください。エコ電線は、EM-CPEE-Sφ0.93ペアケーブルをご使用ください。②ケーブルの信号線配線について操作器の配線は必ず一筆書き配線とする必要があります。但し、ループ状には配線しないでください。ループ状の配線及び放射状の配線にすると正常に作動しません。③終端抵抗について工場出荷時には、全ての操作器の端子台部に終端抵抗が接続されております。ケーブル配線接続時には、末端に接続される操作器以外の全ての操作器の終端抵抗を取り除いてください。(終端抵抗100Ω1w)④ケーブルの制限事項1系統のケーブルに接続される操作器の消費電流の総合計が、配線長電流定格を満足する必要があります。5.調光ユニット及び器具の騒音について調光ユニットには、雑音防止フィルター用としてチョークコイルを使用しているため、調光時に微少音が発生しますが問題ありません。また、中・大型調光装置には、冷却用としてファンを使用していますので、多少音が発生します。特に騒音が問題となる場合には、専用の調光器室に設置してください。①高周波成分が電源を経由して音響機器に影響を及ぼす場合があります。 対策A…各々専用変圧器を設けてください。(大規模設備)(図1) 対策B…シールド付対トランスを設けてください。(中・小規模設備)(図2)②高周波成分が空中伝搬して音響機器に影響を及ぼす場合があります。 対策…音響機器と調光機器は別の部屋に設置してください。やむなく同一の部屋に設置する場合は、少なくとも5m以上離してください。(図3) ワイヤレスを使用する場合はFM帯を使用してください。③電源線や負荷線に高周波電流が流れ磁界が発生し、その近くにある音響信号線に影響を及ぼす場合があります。 対策A…調光設備線(負荷線・電源線)と音響、TVアンテナ設備(マイクコードなど)は、1m以上離してください。(図3) 対策B…調光設備線及び音響設備線は別配管処理をしてください。(図3) 対策C…調光器と音響機器は、D種(第3種)接地工事を必ず行ってください。 同時通訳システムや医療機器が調光装置または調光している照明器具の近くにありますと影響を与える場合がありますので、十分ご注意ください。4.音響機器、TV等への雑音について調光ユニットには雑音防止装置を内蔵していますが、音響機器・TVなどに雑音障害を及ぼす場合がありますので次の対策を実施してください。位相制御方式を採用している調光装置において、位相制御された電流波形は、急な立ち上がりを持っているため、高周波成分が多く含まれています。この高周波成分は、調光ユニット内のフィルタ回路で減衰させていますが、微少信号電圧・電流を扱う音響機器では、雑音として出てくる場合があります。雑音障害の経路(種類)とその対策は次の通りです。調光盤INTHROUGHINTHROUGH一段目スプリッター間200mMAXINTHROUGHINTHROUGH二段目フロアコンセントDMXケーブルトータル200m以内スルーの総延長距離200mMAX/スルー内32台MAX端末フロアコンセントDMXケーブル端末デジタル信号(DMX512信号方式)の場合①使用ケーブルについてDMX512信号の配線には、KPEV-SB0.3㎟のケーブルで2ペア以上をご使用ください。エコ電線は、EM-KPEE-SB0.3㎟のケーブルで2ペア以上をご使用ください。上記信号線が使用できない場合には、下記の仕様を満足するケーブルをご用意ください。 1)シールドペア一線であること 2)AWG24以下(0.2㎟以上)であること②ケーブルの配線についてDMX信号線は分岐配線しないでください。もし分岐配線しなければならない場合には、「DMXスプリッター」等にて分岐してください。③配線長についてDMX信号線長は最大200mにしてください。200mを超える場合には、「DMXスプリッター」等を間に入れてください。④分配出力の段数について分配出力での接続段数は2段までです。3段以上接続する場合はスルーポートに接続してください。⑤接続台数について1系統あたり32台(DMX受信基板の台数)としてください。DMXスプリッターやノードも台数として含まれます。ご注意ください雑音対策について音響機器などへの影響を防ぐために、次の処置を行ってください。△△YY調光設備音響設備①電源を経由して影響を与える場合の対策■図1 各々専用変圧器を設ける(大規模設備)調光設備1:1シールド付対トランス音響設備■図2 シールド付対トランスを設ける(中・小規模設備)電源線負荷線(配管処理)調光設備音響設備(配管処理)5m以上離す1m以上離す②③空中伝搬で影響を与える場合の対策■図3
右ページから抽出された内容
188メンテナンス6.負荷短絡について調光ユニットに使用している素子は、一瞬の短絡で破壊されますので調光負荷を短絡しないようにご注意ください。負荷短絡は、負荷配線工事及びランプ交換時などに、同一回路内の2線(非接地側と接地側)が接触する事により起こります。●負荷側の配線に関しては、絶縁(導通)確認をしてから調光器へ接続してください。●ランプ交換をする時には、調光器のブレーカを切ってから交換してください。調光ユニットブレーカ調光装置照明負荷負荷側の導通確認後に接続してください。8.LED照明器具と調光盤接続について白熱灯をご使用いただいている調光盤に対して負荷をLED照明器具に変更する場合は、以下の内容にご注意ください。チラつきの発生や機器の破損につながる恐れがあります。●選定されているLED照明器具の調光方式が位相制御方式であり、調光ユニットとLED照明器具の適合が正しいことをご確認ください。LED照明器具の調光方式が信号方式の場合、以下の内容にご注意ください。チラつきの発生や機器の破損につながる恐れがあります。●LED照明器具は純直電源でご使用ください。●信号とLED照明器具の適合が正しいことをご確認ください。既設の調光盤を活用して負荷をLED照明器具へ更新される場合、調光盤は使用年数に合わせて経年劣化しております。使用年数を加味して調光盤の更新も必要になります。あらかじめご了承ください。9.LED照明器具の高調波対応について高調波とは、「基本波の整数倍の周波数をもつ正弦波」と定義されており、電気分野で「高調波」は、通常「高調波電流」を意味します。高調波が他機器に与える影響としては、調相設備の振動やうなり、通信機器の雑音、映像の乱れなどがあげられますが、これに限らずさまざまな機器に影響を及ぼします。弊社製LED照明器具は、高調波規格JISC61000-3-2:2019を遵守しております。●DMX(DMX512)信号とは、1本のケーブルで512チャンネルのデジタル信号を送信し、1チャンネルあたり256段階の制御が行える通信規格です。RDMとはDMXケーブルを介して、照明器具の検索、照明器具の情報取得、DMXアドレスや器具のモードの設定等が行える遠隔機器管理の略称です。RDMを使用する場合は、システムに使用している機器がRDM対応していることが条件になります。ご注意ください。※RDMはDMX512-Aの規格に基づきます。①使用ケーブルについて DMX512等の配線には、KPEV-SB0.3㎟のケーブルで2ペア以上をご使用ください。エコ電線は、EM-KPEE-SB0.3㎟のケーブルで2ペア以上をご使用ください。 上記信号線が使用できない場合は、下記の仕様を満足するケーブルをご用意ください。 1)シールドペアー線であること 2)AWG24以下(0.2㎟以上)であること②ケーブルの配線について DMX信号は分岐配線しないでください。 もし分岐配線しなければならない場合には「DMXスプリッター」等にて分岐してください。③配線長について DMX信号線長は最大200mにしてください。200mを超える場合には「DMXスプリッター」等を間に入れてください。④接続台数について 1系統あたり32台(DMX受信基板の台数)としてください。DMXスプリッターやノードも台数として含まれます。ご注意ください。※前述の「3.調光操作器と調光装置本体との配線について∼デジタル信号(DMX512信号方式)の場合」も合わせてご確認ください。7.LED照明器具についてLED照明器具には「調光可能型」と「非調光型」があります。調光する場合は「調光可能型」を選定してください。また、適切な調光方式により調光させてください。●位相制御方式による調光は、照明器具への電力を直接調節することで調光する方式です。(図4) 白熱用の調光ユニットでLED照明器具を調光させた場合、調光ユニット内に使用している電子部品の影響により、位相制御に対応したLED照明器具でも低負荷の影響等によりちらつきが発生する可能性があります。調光ユニットはLED照明器具に対応した製品をご選定ください。 また、突入電流の影響で容量に余裕がある場合でも接続台数が規定されているLED照明器具も存在します。LED照明器具の仕様もご確認ください。(図5) なお、電力調整の仕方は調光装置の制御部やコントローラによって異なります。そのため調光下限の明るさは、選定した調光装置やコントローラにより異なります。選定時にご確認ください。●PWM信号による調光は、デューティ信号を送り、器具側の電源ユニットでLEDの明るさを制御する方式(パルス変調を利用した調光方式)です。(図6) 電圧・周波数・変調範囲はメーカーごとに異なりますので、安定した動作をさせるためには、適切な機器の組み合わせにてご使用ください。  PWM信号を生成する調光装置(信号変換器・コントローラ含む)により接続できる台数が異なります。 接続台数については調光装置(信号変換器・コントローラ含む)の仕様をご確認ください。(図7)■図6 PWM信号方式■図7 接続台数例■図4 位相制御方式■図5ライトマネージャーFxNQL10101LED電球2A白熱灯5A起動方式LK・LB・LU3Aただし、電源ユニット最大13台まで位相制御方式での電気量の変化ONONOFFOFF明るい(調光率100%)暗い(調光率30%)接続台数:50台まで/系統総配線長200mまで/系統100mまで/系統DMX-INDMX-OUT/Thru4系統DMXアドレス001∼004調光操作卓DMX-PWM信号変換器4出力タイプDMX-PWM信号変換器4出力タイプ例)DMXアドレス:001例)DMXアドレス:005PC4系統DMXアドレス005∼008LED客席ダウンライト・LED天井反射板ライト一定周波数一定電圧一定周波数一定電圧明るい調光率100%暗い調光率30%デューティ制御方式での入力調光信号

このページのトップへ

VAソリューションカタログ
WEBカタログをiPad・iPhoneで見る方法
WEBカタログをAndroidで見る方法