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Number 3月28日号抜き刷り 1-2(2-3)

概要

  1. LEDカクテル光線
  2. 最新技術で甲子園球場のレガシーを継承
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「甲子園球場のLEDはオレンジ色が入っているからか温かみを感じる」(鳥谷)ェックしてもらうのですが、﹁これはカクテル光線じゃないよね﹂と言われることもありました。それでも何度も調整を重ね、ようやく納得いただけるものができました。最新技術で甲子園球場のレガシーを継承。鳥谷 照明がLEDに変わったことは気づいていましたが、まさかそんな苦労があったとは︵笑︶。最近は多くのスタジアムが採用しているLEDはクリアに見える一方で、全体が白い印象になりますよね。それに比べ甲子園球場はLEDっぽくない。オレンジ色が入っているからか温かみを感じます。岩崎 従来の照明で使用されていた白色のメタルハライドランプは、演色性︵自然光が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す数値︶は高いものの、消費電力が多いというデメリットがありました。一方、オレンジ色の高圧ナトリウムランプは、演色性は低いものの、消費電力は少ない。この2つを組み合わせ、いいとこ取りをしたのがカクテル光線です。そこに省電力で明るいLEDが登場したことで、オレンジ色を使う必要はなくなり、スタジアム内の空間は白いのが当たり前になりました。ところが甲子園球場さんは、﹁それは違う﹂と言うんです。﹁ファンにとって熱戦の記憶は球場の風景と共に頭の中に残ります。甲子園球場独特のノスタルジックな雰囲気は、伝統として守るべきものなんです。ファンのためにもそこを変えるわけにはいかない﹂と。それくらい空間の色味、照明を大切に考えていました。今回、最新の技術を使いながら、甲子園球場が守り続けてきた伝統を受け継ぐことができたと自負しています。鳥谷 僕がプレーしていた頃はまだLEDではなかったのに、グラウンドに立ったときに全く違和感がありませんでした。照明元・プロ野球選手鳥谷敬福田剛=文textbyTsuyoshiFukuda三宅史郎=写真photographsbyShiroMiyake
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KoshienStadiumshineswithPanasonicLED.1956年阪神甲子園球場生、各地球場広「光線」。〝〟鳥谷敬、伝統灯LED継承挑戦迫。︱︱2022年3月に甲子園球場のナイター照明がリニューアルされ、パナソニックのLEDに変わりました。甲子園球場の照明と言えば、白とオレンジ色を組み合わせた﹁カクテル光線﹂が有名です。岩崎 そうですね。今回のLED化にあたっても、最初に甲子園球場さんからカクテル光線を踏襲したいというご要望をいただき、白とオレンジ色のLEDを組み合わせ、﹁LEDカクテル光線﹂を実現しました。このオレンジ色のLEDは甲子園球場のために、開発担当の石井が約2年をかけて作り上げたものです。石井 広いスタジアムを照らすには強い光を出すことが求められます。スタジアム用の白い照明器具はあったのですが、それと同じくらい大光量でかつオレンジ色の光を出すというのは技術的にすごく難しいんです。しかもただ、2色のLEDでグラウンドを照らせばいいわけではありません。一口にオレンジ色といってもいろいろなオレンジ色があります。白とグラウンドで混じり合ったときにちょうどいい色味になるように調整をする必要がありました。岩崎 色味には数値で表す色温度という指標があります。甲子園球場の場合、白とオレンジ色の光がグラウンド上で混ざり合って、薄くオレンジ色が入った太陽光に近い空間を作っていました。それが芝生を一番きれいに見せ、選手のユニフォームを白く際立たせる光として、LEDでもこの状態を再現することが求められました。石井 これが本当に大変でした︵笑︶。2色のLEDを様々な方向から照射させる上に、芝生や土の照り返しも考えなくてはいけない。気温によっても色は微妙に変化します。しかもテレビ中継の際に高精細カメラでグラウンドのどこを映してもきれいでなくてはならない。試作品を作っては担当者にチパナソニック株式会社ライティング事業部プロフェッショナルライティングBU屋外事業推進部商品企画課主務石井陽平パナソニック株式会社ライティング事業部エンジニアリングセンター専門市場エンジニアリング部西部屋外照明課主務岩崎浩暁

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